プロローグ

取材、報道、勉強、ファッション…24時間をフル活用する女たち

女性キャスターがこれほど世間の注目を集める存在になってから、もう何年経ったでしょうか。キャスターという仕事は、今なお人気職業ランキングの上位をキープしています。番組改編期には必ずといっていいほど週刊誌で新人キャスター特集が組まれ、ファッション雑誌では人気キャスターがモデルとして紙面を飾ります。
アナウンサーのタレント化やマルチ化が指摘される昨今、キャスターとアナウンサーの区別は曖昧なままですが、彼女たちがともに背負っているのは“日々、目まぐるしく変化する情報を、あらゆるメディアに先駆けて伝達する”という重大な使命です。
そんな大変な立場にありながら、今日も笑顔でモニターの前に立つ彼女たち。知的な眼差し、よく通る声、洗練されたファッション…、あらゆる苦労を微塵も感じさせず、テレビ画面の向こうから語りかけるその姿は、なんと活き活きと魅力的にみえることでしょう。
キャスターという言葉の定義は人によって千差万別ですが、本書では、テレビの報道番組で、直接視聴者に言葉を投げがける女性たちをそう呼ぶことにします。
この本を手に取ったあなたは、キャスターにどんなイメージを持っているのでしょうか。
「とりあえず、すごく倍率高そう…」「やっぱり英語がペラペラでなくては駄目なんだろうな」
高嶺の花と思いながらも何となくあこがれている人。
「番組内で彼女たちはどんな立場にあるのだろう」
キャスターたちの職場である、テレビ局や報道番組のしくみに興味津々な人。
いずれにしても「何となく想像はつくけれど、詳しくはよくわからない」といったところでしょうか。
第・章では、キャスターとテレビ報道の世界を総括して紹介します。女性キャスターには何が求められているのか、キャスターになるにはどんな方法があるのかといった、採用に関する情報、さらにステップアップの条件や、ファッションのこと…これらを全て、関係者の声を元にまとめました。この章をお読みいただければ、キャスターと番組周辺の事情がかなり明らかになるでしょう。
そして第・章では、現在キャスターと呼ばれる仕事に携わっている九人の女性が、視聴者の立場からは分からない様々な実情を語っています。
「女は番組のお飾り」だった時代を生き抜き、今日の「女性時代」を築いてきた“草分け”的存在から、仕事に就いてほんの一、二年足らずの新人まで、登場する彼女たちのキャリアは様々です。担当ジャンルにしても、報道あり、情報バラエティあり、スポーツあり…と実に多岐にわたっていますが、いずれにせよ、そこから現役キャスターの視点による「テレビ報道の現実」が見えてくるでしょう。本番では決して語られることのない、彼女たちの“生の声”に耳を傾けてください。現場取材やインタビューの際の苦労話、情報収集の仕方や人間関係の作り方、多忙な中での時間の有効な活用法、そしてオフの日の過ごし方など…、今テレビで活躍中の彼女たちがより身近に感じられるはずです。
彼女たちは秒刻みのスケジュールをこなし、24時間をフル活用する達人です。その話にはそのままあなたの日常生活に役立つこともあるでしょう。キャスター志望者だけでなく、キャスターの生きる世界に興味を持つ全ての読者にとって、本書はきっとお役に立てることと思います。

(本文より抜粋)



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