
麻木久仁子![]() |
デビュー時は“借りてきた猫” 「私の肩書きは、キャスターではありません。“司会者”だと思っていますから」 そういい切る麻木久仁子さんは、“キャスター”についてこう語る。 「いわゆる情報系の番組を司会する人間は、皆キャスターといわれることがありますけど、私は、キャスターという概念はジャーナリストであると思っています。ジャーナリストのキャスターというのは、桜井(よしこ)さんや田丸(美寿々)さんのような人であって、私の場合は、司会者という意識でやっていますから違います。だからプロフィールにも“キャスター”とは書いていません」 情報番組からバラエティまで、ジャンルを問わない幅広い分野で活躍し、今やベテランの域に達している麻木さんだが、最初のうちは「司会者として“行ける”という感じは、全くありませんでした」と話す。 それまではリポーターとして仕事をしていた彼女が、初めて「司会」を務めたのは『オールナイトフジ』。麻木さんは、田代まさしさんと森尾由美さんと一緒に、三人で司会をすることになった。 「田代さんはいうまでもありませんが、そのとき由美ちゃんは、当意即妙な受け答えをして、司会もできるアイドルとして芸風を広げ、評価もワンランク上がったんですよね。でも、私は一言も喋れませんでした。台本には一応私の台詞もあるわけですが、なかなか話に割って入ることができずに、自分からは何もいえませんでした」 当時の麻木さんは、他の二人に「はい、次は何ですか」と振ってもらって、ようやく「これを御覧ください」といえるような状況だったという。たかだか『次は○○です』というだけの、進行役として最低の務めさえ果たせず、「借りてきた猫というか、まるでスタジオ見学に来たお客さん」のようだった彼女は、結局ワンクールでクビになってしまう。 「どうしよう、どうしようと思っていたら、三ヶ月たったら『もう来なくていいです』といわれました。抜擢してくれたディレクターの人は、がっかりしただろうなと思いますね。今でも会うと恥ずかしい気がしてしまうくらい、何にも喋れなかったんですから」 しかし、「我ながら、印象がなかったろうなと思う」とはいいながら、結果として、この番組に採用されたことが、司会という仕事をしていくきっかけになったのである。 「こういう仕事は、たとえ自分でやりたいと思っていても、結局人に採用されなければ出来ませんよ。自分の意思で始められるものではないと思います」 (本文より抜粋) |
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